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Day 2:なぜ元自衛官で会計ソフトを開発していた人間が、宇宙産業に参入するのか?~SPACETIDE 2020 YEAR-END特集 7 days カウントダウンブログ~

Updated: Dec 3, 2020



こんにちは!スカイゲートテクノロジズの代表の粟津です。SPACETIDE 2020 YEAR-END特集」の第二回目を投稿します。


前回は、宇宙産業を取り巻く背景として、変化の兆しや、クラウド・データ産業が宇宙に拡大しようとしている背景を書きました。今回は、その背景を受け、弊社を創業した経緯についてお伝えします。


要約

  • 代表の粟津は、元陸上自衛官で、衛星通信などの宇宙利用を経験

  • 会計ソフトの会社に転職後、「宇宙の利用のボトルネックは何?」という疑問を持つ

  • 普通の人々が恩恵に預かるためのボトルネックを探して壊せ

自衛隊時代での宇宙


私は元陸上自衛官です。2017年まで、防衛省・自衛隊の陸上自衛隊に、自衛官として所属していました。迷彩服も着ていましたし、ヘリコプターからロープ降下もできますし、対戦車ミサイルも撃つことができます。



もともと大学在学中に立ち上げたスモールビジネスに注力していた私は、あることがきっかけで自衛隊に転職、もとい入隊することになります。(なぜ自衛隊を選んだのかは、書くと長くなるので、また別の機会に)


自衛官時代には、普通科連隊や旅団通信隊の勤務を経て、大臣直轄部隊などを経験しました。自衛隊の任務のための通信網を構築する業務を担当した後、セキュリティや監査を担う業務に従事しました。


自衛隊は、災国や地域の危機に対応する組織です。そのため、人工衛星を利用した情報収集や衛星を介した通信の確立が、訓練・実践ともに年中行われています。それらのオペレーションは、一般の事業会社では見られないものです。


それまで宇宙に憧れのある人間だったものの縁のなかった私が、宇宙を「実用的に」利用する機会を得たのは自衛隊が最初といっても過言ではありません。通信網の設計や衛星画像の利用を経て、いずれはこの手のオペレーションが、ビジネスの現場や意思決定にも利用される世界が来るのではないかと想像していました。


転職と会計ソフト

その後、私は防衛省を去り、当時、クラウド会計ソフト「freee」で知られるフリー株式会社へ転職します。社会にとって価値を届けたいという想いが再び頭を巡るようになったことが、退職のきっかけとなりました。



21世紀になり、これほどまでにインターネットが普及した現代でも、人々の暮らしの多くは、それぞれの地域や社会に根付き、そこに生まれる様々なビジネスが、価値を届けています。


防衛省・自衛隊は、それを守ることはできるけども、発展させることはできません。


30代に入ろうとしていた私とって、災害や脅威から人々を守る危機管理や安全保障の仕事ではなく、人々の日々の暮らしに役立つ価値を提供したいという思いが強くありました。


会計ソフトは、バックオフィスのコアになるものです。

すべての事実が集約・処理され、経営の意思判断に使われ、ここがボトルネックになるとビジネスが失速してしまう。重要なデータを預かり、セキュリティ上の要件も多い。でも、ビジネスには必要になるもの。


そういった想いや、以前にスモールビジネスでバックオフィスに苦戦した苦い思い出が、フリー社への転職の決め手になりました。


転職後、お客さまに価値を届けることにフォーカスした事業会社で働くことは、私にとって大きな学びとなりました。


顧客の行動や心理をWebマーケティングデータを紐解き、仮説検証プロセスを通じて、本当にお客さんにとって役に立つものを生み出す、というSaaS開発の現場は、書籍で読んで知ってはいたものの、実際の現場を見ると実に合理的で印象的でした。


そこでいくつかの考えが私の頭の中に浮かぶようになりました。


自衛隊や軍のように、国や地域のデータやインサイトを誰もが得られるようになったら、どのようなアプリケーションが生み出されるのだろうか。技術的に可能なそれが、未だに多くのビジネスプロセスに活用できないのはなぜなのだろうか。

単に使えないから?用途が限定的だから?もしくはデマンドがないから?ならば、なぜ通信衛星や観測衛星をシリコンバレーが作り始めているのか?彼らがディスラプトしようとしているものは何なのだろう?


会計ソフトに匹敵する宇宙のボトルネックは何なのか


ほとんど直感的な疑問だったそれらは、私の中で「物理的な社会の顧客や状況を、より早く、より良く理解するためのセンシングが、ビジネスプロセスに活用できない理由やボトルネックは何なのか?」という問いに整理され、少しずつリサーチやインタビューをスタートしました。



宇宙産業の人脈が殆どなく、かつ「陰キャ」な私にとって、この疑問を明らかにするのはそれなりの時間を要しました。幸いなことにいくつかの出会いを通じて、疑問に対する仮説をいくつか得られました。


その1つのキーとなったのが「地上局」の存在です。


第一回目にも書いたとおり、クラウドとデータの世界が、宇宙に拡大しようとしています。しかし、宇宙空間と地球との間には、重力と距離という障壁があります。


前者の障壁は、まさに人類とロケット開発の歴史そのものです。一方で、クラウドとデータの世界にとって、ボトルネックは「距離」の障壁、つまり、「遠く離れた軌道上と地上のコンピューティングをどう統合し、地上のサービスにつなげるか」という課題です。


宇宙と地球をつなげるには、地球側の通信の窓口である「地上局」が必要不可欠です。


しかし、その地上局は、実に大きな設備であり、高いセキュリティとコンプライアンスを要求される一方、ビジネスセントリックではないこともしばしばあります。


会計ソフトに匹敵するほどのコアな役割を果たすにも関わらず、それほど注目されていない地上局こそが、宇宙産業にとって、私の探していた刷新すべきボトルネックのように感じました。


幸いにして、私は自衛隊時代に、地上局を開設し運用するという稀有な経験を有していました。専門家ではないにせよ、必要なエンジニアリングの知識やリソースの理解もありました。そして、何より、このボトルネックを解消することで発展するであろうビジネスに挑戦している人たちを応援したい気持ちがありました。


創業とクラウド地上局の開発へ

こういったなかで、ビジネス上のニーズや事業計画の実現性も加味し、この地上局のモダナイズ、それも「将来訪れるであろう、クラウドとデータの世界の宇宙において、めちゃイケてる会計ソフトなみにビジネスを支えられるバックエンドのコアとなる地上局」を実現するため、2020年2月にスカイゲートテクノロジズ株式会社を創業し、事業の立ち上げをスタートしました。





まだ立ち上がったばかりの弊社ですが、日々現れる課題に、多くの方の協力を得ながら進んでいます。七転び八起きどころの騒ぎではありません。N転びN+1起きです。


次回

今回は、弊社がクラウド地上局をスタートするまでのストーリーを書きました。次回は「クラウド地上局ってなんやねん」の話を書こうと思います。

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