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Day 4:地上局の世界~SPACETIDE 2020 YEAR-END特集 7 days カウントダウンブログ~



こんにちは!スカイゲートテクノロジズCEOの粟津です。

前回は、私たちが取り組む地上局のコンセプトについてお伝えしました。少なくとも宇宙ビジネスの将来、地上局はクラウドにとって重要なサービスになります。その将来を実現することを目指しているが現在の私達のプロダクトです。


今回は、地上局の世界について紹介しつつ、私達のプロダクトにも触れたいと思います。


私達のプロダクトとアンテナの話


私達のプロダクトは、大まかに、アンテナシステムとソフトウェア無線システム、そしてクラウドと接続したりワークロードやシステムを制御するバックエンドで構成されています。


アンテナシステムは、主に低軌道向けの観測コンステレーション事業者(多数の衛星を運用する事業者)を想定したものです。宇宙通信用として最も多く使われるS-bandとX-bandの周波数帯に対応し、その他の周波数帯にも対応できます。


すべての機能はWebベースで動作し、一般的なIaaSやPaaSのように、必要な認証認可やセキュリティの機能を備えることで、クラウド側からは抽象化されたサービスのように見えます。


私達がこういった地上局を開発しはじめた背景には、地上局の世界の事情があります。


極軌道の聖地、スバルバード地上局


この業界において、最も知られている地上局の1つは、ノルウェイ領スバールバル諸島に位置するスバルバード地上局です(地上局としてはスバルバードと呼ぶ人が多いですが、地名はスバールバルと呼ばれることが多いようです)。




ノルウェイ領ではありますが、限りなく北極圏に近く、世界最北の地とも呼ばれるこの島は、スバールバル条約を経て、ちょっとだけ特別な地域になっています(例えばビザ不要、非武装地帯など)。


現在は、極地研究都市として、様々な研究拠点も開設されています。今年は、GitHubが世界中のオープンソースコードを北極に保存したことがニュースになりましたが、まさにこのスバールバル諸島にその保管地はあります。


地球の周りを周回する衛星、特に南北の方向に飛翔する極軌道衛星は、周回の都度、必ず北極と南極の上空を通過します。そのため、古くから、スバルバードは極軌道衛星と最も多く接続できる場所として利用されてきました。


そして近年、スバルバード地域の衛星との接続総数(パス数と呼ばれます)は急増しつつあります。


最大公約数をとるのが難しい地上局


もちろん、北極以外にも様々な地域に地上局が点在しています。研究学問用・放送用・拠点通信用など、その用途は様々で、大きさや性能もまちまちです。多くの地上局は、特定の種類の衛星と通信することに重きをおかれており、衛星の軌道にあわせた場所に設置されるため、どの衛星でもどの地上局につながるというわけではありません。


現在では、互換性のある地上局を相互に貸し出す地上局事業者ネットワークや、空いている時間帯の地上局をシェアするアンテナシェアリングサービスなど、地球上の地上局を効率よく利用して、多数の衛星との通信機会を確立しようとする動きも登場してきました。




また、米Amazon.com社が提供するAWS Ground Stationのようにデータセンターのすぐ近くに配置するアプローチをとるクラウド地上局プロバイダも現れつつあります。しかし、それが必ずしも衛星にとって運用しやすい場所ではないケースもあります。


このように地上局の設置場所と機能は、その最大公約数をとることが難しく、すぐに特定のクラウドと地上局を垂直統合できるものではありません。コンステレーションのような大規模な人工衛星運用をビジネスに活かそうとする事業者にとって、地上局とクラウドの最適なアーキテクチャはまだ未知数とも言えます。


私達は地上局でどうするのか?

将来、様々な運用のなかでノウハウを蓄積しながら、地上局とクラウドのベストプラクティスが生み出されていくと考えられます。


私達は、「シンプルであること」「高い拡張性をもつこと」「変化に耐えうる柔軟性があること」を地上局に追求し、観測コンステレーション事業者にとってそのビジネスに最適なアーキテクチャを実現できる世界を考えています。



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